監修:信州大学医学部 脳神経内科、リウマチ・膠原病内科 教授 関島 良樹 先生

患者と家族のコミュニケーション

トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーについて

トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは変異型TTR(トランスサイレチン)遺伝子が原因となって発症する病気です。トランスサイレチン(TTR)と呼ばれるタンパク質は通常4つで一組になって血液中を循環していますが、変異型TTR遺伝子があると、この4つ一組のTTRがバラバラになって不規則に集まることでアミロイドという水や血液に溶けにくいタンパク質のかたまりが作られます。

アミロイドが形成される過程(仮説)
アミロイドが形成される過程(仮説)

そのアミロイドが全身の臓器にたまることで、末梢神経や心臓、眼など様々な臓器で障害が引き起こされます。この原因となる変異型TTR遺伝子は多くの場合、祖先から引き継がれてきた遺伝子であり、血縁関係にある場合は同じ病気にかかる可能性が考えられます。

この病気は発症後徐々に悪化してしまう進行性の病気ですが、お薬による治療をすることで病気の進行を抑えることができる可能性があります。また、条件が合った場合には肝移植を行うことで進行を抑制することも可能です。

症状
症状

※トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは、遺伝性ATTRアミロイドーシス、ATTRvアミロイドーシス、hATTRアミロイドーシス、ATTR-FAP、TTR-FAP、FAPと呼ばれることがあります。

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