監修:信州大学医学部 脳神経内科、リウマチ・膠原病内科 教授 関島 良樹 先生

ご家族に病気を伝えるには

Q 私は両親からこの病気について聞かされたことがないのですが、本当に両親のどちらかが病気の原因となる遺伝子をもっていたのでしょうか?

A多くの場合、ご両親のどちらかが病気の原因となる変異型TTR(トランスサイレチン)遺伝子をもっていることがわかっています。
この病気についてあなたが話を聞かされていなかった原因はいくつか考えられます。

1つは、あなたのご両親自身や、祖先も含めて誰もこの病気やその原因となる変異型TTR遺伝子の存在について知らなかった可能性です。この病気は特徴的な症状がないため、他の病気と診断されている場合も多く、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーだと診断がされないままに生涯を終えられた方も少なくありません。そのため祖先から引き継がれてきた変異型TTR遺伝子の存在を誰も知らなかったのかもしれません。

また、変異型TTR遺伝子を有してはいたけれども誰も病気を発症しなかった可能性もあります。この病気は、変異型TTR遺伝子をもっていても生涯発症しない場合があります。あなたのご両親は変異型TTR遺伝子をもっていたけれども、病気を発症していなかったのかもしれません。

ご家族に病気を伝えるには

あるいは、ご両親はこの病気について知っていたけれども、あなたに話をしていなかった可能性も否定できません。ご家族にこの話を伝えることの重要性が十分に伝えられていなかったり、ご両親は話をすることを躊躇してしまったのかもしれません。

※トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは、遺伝性ATTRアミロイドーシス、ATTRvアミロイドーシス、hATTRアミロイドーシス、ATTR-FAP、TTR-FAP、FAPと呼ばれることがあります。

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