トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーについて知る

遺伝

監修:信州大学医学部 脳神経内科、リウマチ・膠原病内科 教授 関島 良樹 先生

監修:信州大学医学部 脳神経内科、
リウマチ・膠原病内科 教授 関島 良樹 先生

遺伝のはなし

トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは遺伝性の病気ですので、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの患者さんは「ご家族(血縁者)がトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーを発症するかもしれない」と不安に思うと同時に、ご家族にトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーについてお話されることに戸惑いやためらいを感じる方も少なくありません。
トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは遺伝性の病気のため、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーと診断された場合は、ご両親のいずれかがTTRの遺伝子の変化(変異)を元々持っている場合が多いことが知られています。また、ご家族(血縁者)も同じ遺伝子の変化(変異)を持っている可能性があります。ただし原因遺伝子を持っていても必ず発症するわけではありません。

トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは遺伝性のため、血縁者も同じ遺伝子を持っている可能性があります。ただし必ず発症するわけではありません。

「家族がトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーを発症してしまったら、すぐに気づいてあげたい」

ご家族に患者さん自身と同じような症状がある場合には、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーについて相談している医師への受診について、ご家族で話しあってみましょう。

「家族には症状はまったくないが、原因遺伝子を持っているか心配だ」

症状がまったくない場合でも、遺伝子検査などによって、病気の非常に早い段階で診断できる可能性があります(発症前診断)。トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの症状がなくても、判断能力のある成人(満18歳以上)で本人が自発的に遺伝子検査を希望し、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの症状や遺伝などの知識についてよく理解し、結果を知った後の将来設計について熟慮しており、診断後の心理ケアおよび治療の体制が整っている場合は遺伝子検査(発症前診断)を受けることができます。発症前診断を受けるためには、遺伝カウンセリング外来を受診する必要があります。

ご家族に疑わしい症状があるが、どのように伝えたらよいか悩まれている方、また、ご家族に症状はないけれど、発症前診断についてお知りになりたい方は、主治医にご相談ください。

※トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは、遺伝性ATTRアミロイドーシス、ATTRvアミロイドーシス、hATTRアミロイドーシス、ATTR-FAP、TTR-FAP、FAPと呼ばれることがあります。

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