監修:信州大学医学部 脳神経内科、リウマチ・膠原病内科 教授 関島 良樹 先生

ご家族に病気を伝えるには

はじめに

あなたが発症していることがわかったトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは、標準とは一部異なるTTR(トランスサイレチン)遺伝子(変異型TTR遺伝子)が原因となって発症する病気です。

多くの場合、ご両親のうちのどちらかがこの病気の原因となる変異型TTR遺伝子を有していて、それがあなたに受け継がれています。遺伝子は体の設計図で、ヒトは約2万種類の遺伝子をもっています。TTR遺伝子もその一つです。ヒトの遺伝子はそれぞれ異なり、だれでも標準とは異なる遺伝子(変異型遺伝子)を一定数もっています。また、変異型遺伝子は病気の原因になることがあります。

親と子の外見が似ていることや、親が高血圧、糖尿病、がんなどを発症していると子供もその病気にかかりやすいことなどは、親から子へ遺伝子が受け継がれていることが関係しますが、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの変異型TTR遺伝子も同様に親から子へと受け継がれたものの一つです。

病気についてご家族(血縁者)に伝えることに不安を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ご家族が「この病気を発症する可能性があることを知っている」ということが、今後ご家族が同じ病気を発症したときの早期診断・治療に非常に重要です。ぜひご家族にこの病気のことを伝えてあげてください。

※トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは、遺伝性ATTRアミロイドーシス、ATTRvアミロイドーシス、hATTRアミロイドーシス、ATTR-FAP、TTR-FAP、FAPと呼ばれることがあります。

ページのトップに戻る